昭和三十二年九月号
2010年 09月 27日
渓間より湧き立つ霧がおもむろに這い登り行く暁の山を
河口湖も富士も濃霧におほわれて虚しき御坂峠路に侘つ
四合目を過ぎし頃より一様に苔をつけたり栂も落葉松も
悉く下に向かひて枝を張るそうしかんばの林に入りぬ霧にぬれつつ
一瞬の晴れ間を仰ぐ山頂に青き空あり白き雲あり
倒れたるままに朽ちゆく大木に寄りて茂れる深山石南花
なだらかに樹海ひろがる目の下を見つつ飽かなく中道に侘つ
いつしかに林はつきていたどりの群落が見ゆ目の下遠く
「此処が山女の釣り場です」と運転手指さす淵をのぞき見しかな
塩川の流れにそひて幾曲がりバスは揺れつつ増富にゆく
木がくりに橋が見えをり通仙峡と書きし木札の立ちたるところ
「サイダーの味がする」等云い合いて増富の湯を飲みにけるかな
瀬を渡り岩に登れば湯の宿の縁にて友がカメラ向けおり
河口湖も富士も濃霧におほわれて虚しき御坂峠路に侘つ
四合目を過ぎし頃より一様に苔をつけたり栂も落葉松も
悉く下に向かひて枝を張るそうしかんばの林に入りぬ霧にぬれつつ
一瞬の晴れ間を仰ぐ山頂に青き空あり白き雲あり
倒れたるままに朽ちゆく大木に寄りて茂れる深山石南花
なだらかに樹海ひろがる目の下を見つつ飽かなく中道に侘つ
いつしかに林はつきていたどりの群落が見ゆ目の下遠く
「此処が山女の釣り場です」と運転手指さす淵をのぞき見しかな
塩川の流れにそひて幾曲がりバスは揺れつつ増富にゆく
木がくりに橋が見えをり通仙峡と書きし木札の立ちたるところ
「サイダーの味がする」等云い合いて増富の湯を飲みにけるかな
瀬を渡り岩に登れば湯の宿の縁にて友がカメラ向けおり
by hahanamiko
| 2010-09-27 22:28
| 美知思波