昭和三十五年一月号 二月号
2012年 01月 24日
柿の皮くるくると膝に落としゆく君の手先の動き見てゐつ
神々もみそなはすべし母の手に育ちし子等のかく逞しき
褐色の柱のつやを見てゐたり風邪に寝ねたる床の中にて
新年歌会たけなはならむと想ひつつ床にゐるなり転々として
成年を迎へし愛娘逝かしめて君の白髪とみに増えたり
喪服着て夫君と侘ちし君の前もの云われざり泪あふれて
遺体十六並べられたる火葬場に正月五日の陽は暮れむとす
神々もみそなはすべし母の手に育ちし子等のかく逞しき
褐色の柱のつやを見てゐたり風邪に寝ねたる床の中にて
新年歌会たけなはならむと想ひつつ床にゐるなり転々として
成年を迎へし愛娘逝かしめて君の白髪とみに増えたり
喪服着て夫君と侘ちし君の前もの云われざり泪あふれて
遺体十六並べられたる火葬場に正月五日の陽は暮れむとす
by hahanamiko
| 2012-01-24 18:24
| 美知思波