母の詠草


by hahanamiko
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西山温泉にて

笛吹の水すれずれに黒き烏かすめ飛びたり枯葦の中に

富士川は白く乾きて砂利運ぶトラックが行く広き河原を

残雪に朝の陽照りて山ひだの爽やかに見ゆ西の山脈




重要文化財の欅の門扉あり風雨にさらされて木目浮き上がりたる

裏参道に小さきのぼり数知れず白地に赤き商店の文字



たらちねの母の愛もて世に生きよと講師の言葉まことせつなり



目ばかり出して顔をつつみし女等がよく話すなり袋かけつつ



朝な朝な挿し木の薔薇をのぞき見る赤く小さく芽のふくらむを
by hahanamiko | 2009-10-30 20:41 | 雑詠

昭和三十二年 七月号

背の君が引き給うらむ重藤の弓矢が床の間に立ててあり



饅頭はそのままにして浅漬けの胡瓜に皆の手が伸びるなり

石を掘る生徒らの腕逞しく開墾作業日に日に進む



釜無に釣りたる鮎を賜びたりし伯父上逝きてもはや十年

つばなの穂西日を受けて光をり釜無川の土手の斜面に



何事かたくらみをする人あらむこの会合の雰囲気に思う
by hahanamiko | 2009-10-30 20:25 | 美知思波

昭和三十二年 六月号

ウエットかドライか知らずかにかくに己の意志をのぶる娘ら



高々と帯を結びし彼の人も吾と同じき五十歳にて



笛吹の土手をましぐらにそれゆきて桑の畑のみどりに入りぬ

参道の長きを行きて檜はだぶきの屋根の美しき宮に詣づる
by hahanamiko | 2009-10-30 18:58 | 美知思波