昭和 三十一年 九月号

-夏季休暇に-

洋子の作りしカスタードプリン美味かりき氷の破片ひとつ浮かべて





-森本の叔母上逝く-


今日よりは君のいまさぬ庭先にシュウカイドウの花さかりなり




-故里の家にて-

桑摘みつ田を耕しつ尊徳の教えを吾らに説きませリ父は

背をかがめ草をむしりていましたり八十歳にて健やかなる母
# by hahanamiko | 2009-08-02 23:29 | 美知思波


チロチロに清水流るる沢の路子の蟹ひとつ逃げてゆきたり


山畑の間の道を幾曲がり登りて立てり坊が峰の上
# by hahanamiko | 2009-08-02 23:22 | 美知思波


薄き布団にくるまり寝て語り合ふ婦人会のこと青年団のこと


午前八時稲毛の浜はしずかにて潮ひくさまの明らかにみゆ
# by hahanamiko | 2009-08-02 23:19 | 美知思波

昭和二十八年八月 

千代田湖にてH先生事故死


四年前君を死なせし千代田湖のしずけきさみつつこころみだるる




夕立に波立ちさわぐ日なりけりこの湖に君を死なしむ
# by hahanamiko | 2009-08-02 23:17 | 美知思波


深草の観音像は岩山の岩をうがちし中にまします


親子六人山に登りて云うことなし生のけわしさしばし忘れむ
# by hahanamiko | 2009-08-02 23:16 | 美知思波