昭和 三十二年 三月号

ー浅井校長逝去(伊勢学校長)ー

豪放磊落の内にひそめたる責任が先生の命縮めたるらし

うつつなき内にもつぶやきいましけり学校のこと生徒らのこと

強き風に講堂の屋根なりやまず読経の声ひびくさなかに

石川教頭の弔辞幾たびか声をのみつつようやく終わる

修道尼二人乗りきて吾が前の座席に座るまなこふせつつ





しきたりの古きをわらい言いひつのる娘よ汝も大人にあらず





ー母喜寿の祝いー

七十人のうから集いて老母の喜の字を祝ふ常盤ホテルに

赤き蒲団二つ重ねて座りたる母のからだの小さくし見ゆ



ー佑幸大学卒業ー

医を学びし佑幸漸く帰り来ぬ六ヶ年精勤の賞状持ちて



ー洋子大学卒業ー


紋服に裾長き袴着けて立つ洋子が卒業の晴れ姿なり






幾本かの白髪を抜きていたりけり夫や娘の出掛けたる後





二十五センチ積りし雪が南天を地に伏せしめていまだやまざる
by hahanamiko | 2009-08-02 23:59 | 美知思波