昭和三十六年 九月号
2013年 01月 16日
小淵沢より歩きたる十五分ほこりかむれる草の道なり
酒もジュースも池に沈めて口すすぎ手を洗ひたり滝の清水に
拝殿に吾等並びて紅ますのゆわれ聞くなり農組合長に
置物かと思ひたりけり神殿の前に動かぬ蟇が一匹
胸にズボンに尿されつつ笑ふなり蟇をとらへて抱き来し人が
たしかなる手ごたえありて釣上げし紅鱒が芝の上に跳ねゐる
あらき歯をおそれ乍ら針をとる一尺ほどの肥えし紅鱒
孫二人にあせもを出さぬがそのことが夫と吾れとの仕事のひとつ
和田山のキャンプの一夜明けし時君が夫君の訃報とどきぬ
二十人があわただしくも下山する露のままなる百合を束ねて
酒もジュースも池に沈めて口すすぎ手を洗ひたり滝の清水に
拝殿に吾等並びて紅ますのゆわれ聞くなり農組合長に
置物かと思ひたりけり神殿の前に動かぬ蟇が一匹
胸にズボンに尿されつつ笑ふなり蟇をとらへて抱き来し人が
たしかなる手ごたえありて釣上げし紅鱒が芝の上に跳ねゐる
あらき歯をおそれ乍ら針をとる一尺ほどの肥えし紅鱒
孫二人にあせもを出さぬがそのことが夫と吾れとの仕事のひとつ
和田山のキャンプの一夜明けし時君が夫君の訃報とどきぬ
二十人があわただしくも下山する露のままなる百合を束ねて
by hahanamiko
| 2013-01-16 18:34
| 美知思波