昭和三十七年 一月

もろこしと柿と乾されてゐたりけり山ふところの農家の軒に

外堀の一部は蓮の田になりて枯葉が浮かぶさひたる水に

ちょうなあと黒く光れる太柱我の目につく天守閣一階二階

這い上る敵を落さむしかけとぞ堀にそひたる石おとし穴

諏訪の湖の岸に寄りたるあくたあり浮かびて動くゴムまりふたつ

千代田湖に釣りし若さぎ賑やかに揚げてゐるなり若き夫婦が

浅利汁呑みつくしたる鍋底に白く小さき蟹の残れる

背の君にそひてつつましく侘ち給う花束受くる露木夫人が
by hahanamiko | 2014-12-06 21:03 | 美知思波