三十七年 三月
2015年 07月 12日
笹子路は雪におほはれゐたりけり芽吹きの色にけぶりながらに
デパート幾つ上り下りして三時間大丸に買ふ木目込みの雛
一万円五万円五十万円かぎりなし雛にも懐ふ人間の段階
洋子にも和子にも似てふくよかなる雛なりこれと決めたる理由
灯をすいて真紅に光るひとところ噴き散る水をあやしくみせて
白きカバー清々とせる座布団に茶がうまかりき浦和母子センター
一枚のハンカチを売り足袋を売り母子会が建てしセンターなりと
母の日のカーネーションの花造る手さばきを見る階下作業場
枯草のなびく広原はるかなり此処は習志野演習場跡地
一毛作の湿田つづき藁ぶきの屋根多き村遠くに見ゆる
波立てて肩を越えゆくいで湯にも入りてみるなり眼つぶりて
冷々と素足に歩む朝早きヘルスセンター熱海館を
一握りの香投げ入れて成田山本堂に合掌す思ふことなく
壱千円永代供養と書かれたる碑が並びゐき本堂裏に
足袋裏を土によごして本堂をまわりてゐたり女二人が
デパート幾つ上り下りして三時間大丸に買ふ木目込みの雛
一万円五万円五十万円かぎりなし雛にも懐ふ人間の段階
洋子にも和子にも似てふくよかなる雛なりこれと決めたる理由
灯をすいて真紅に光るひとところ噴き散る水をあやしくみせて
白きカバー清々とせる座布団に茶がうまかりき浦和母子センター
一枚のハンカチを売り足袋を売り母子会が建てしセンターなりと
母の日のカーネーションの花造る手さばきを見る階下作業場
枯草のなびく広原はるかなり此処は習志野演習場跡地
一毛作の湿田つづき藁ぶきの屋根多き村遠くに見ゆる
波立てて肩を越えゆくいで湯にも入りてみるなり眼つぶりて
冷々と素足に歩む朝早きヘルスセンター熱海館を
一握りの香投げ入れて成田山本堂に合掌す思ふことなく
壱千円永代供養と書かれたる碑が並びゐき本堂裏に
足袋裏を土によごして本堂をまわりてゐたり女二人が
by hahanamiko
| 2015-07-12 21:28
| 美知思波