三十七年 九月


檜皮ぶきの屋根なだらかなる曲線を仰ぐ本堂前に

吾ら四人の足音のみの山の中何の鳥ぞも折々に鳴く

渓間にもゆく手にも白き独活の花師よ来年は来給ふならむ

大観の画を想はする風情なり白き煙が谿にひろがる

岩の間を落ちくる水の淵なせるひとところあり鍋釜沈む

人ごとにすがりて登りゆきにけむこの藤づるのつやめけるさま

頂上より裾原にまでゆれ動くギボウシの花今さかりにて







by hahanamiko | 2017-07-02 20:30 | 美知思波